日本橋は、古くから受け継がれる伝統と、新しい時代のカルチャーが融合するエリア。街を散策するだけで、新旧のコンテンツに触れることができ、さまざまな発見を得られる場所です。近年の再開発によって、交通インフラの整備が進み、大型の商業施設やオフィスビルも増加。便利で機能的な街として成長する一方、 日本橋に訪れる観光客やワーカーの行動範囲が限定的になることで、広範に街を歩いて楽しむ機会は減っていく傾向にありました。新型コロナも収束しつつある今だからこそ、日本橋を歩いてもらうことで、もっと街を知り、もっと街を好きになってもらいたい。そんな想いからこのプロジェクトはスタートしました。

「EAR WE GO!」は、ラジオパーソナリティが歩きながら収録した音声を、リスナーの位置情報に応じて自動再生することで、まるでラジオパーソナリティと一緒に街を歩いているような体験を提供するサービスです。約50分にわたって、目の前の風景とトークが常にシンクロし続ける、現実連動ラジオ番組をお届けします。日本橋を代表する老舗店が、なんと日本最初のドライブスルー導入店であることや、あの人気の喫茶店が、実は1階と2階でコーヒーの料金が違うなど、一般的な観光ガイドには載らないニッチな情報をパーソナリティとゲストがやりとりすることで、いつもの街の風景を新たな視点から面白がってもらえるようなトークを展開しました。

日本橋のような高層ビルが密集するエリアでは、GPSの精度が低く、ユーザーの位置情報に応じて正確に音声を再生することが大変困難です。今回のプロジェク トでは、独自の位置補正プログラムを開発することで、この問題を解決。目の前にある風景とトークがシンクロし続ける、現実連動ラジオ番組というアイデアを、新しいテクノロジーによって実現しました。

アプリを体験したユーザーへのアンケートではポジティブな評価が続出。敷居が高いイメージを持たれがちな日本橋ですが、「街に対して新たな気づきや発見が あった:99.2%」「行ってみたいと思うお店やスポットがあった:99.7%」「改めて日本橋の街を歩いてみたくなった:99.1%」など、体験を通じて、多くの方が街を「自分ごと化」できたことがわかりました。三井不動産、TBSラジオ、Basculeという、業界を超えた3社による共創を通じて、一社では実現不可能な、新たな価値共創を実現しました。